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本当にただの日記

レッスン記録9月1日午後3時

このたびご縁をいただき、20平米程度のお部屋に女性四人組でのボイストレーニングを行いました。半数以上がまったくの初心者という前提で、私が体験レッスンでやってきたことから中心に進めていきました。ピアノがないので、ギターを担いで出かけてまいりました。

 

今思えば、通常必ず行う、一人一人のお悩み事情の聴取を完全に省いていました。勝手に進めたこちらの主眼は、ボイストレーニングによって、今現在のからだで、どれだけ、声の出しやすい状態をつくれるか、気持ちいいくらいの声の出し方を体験できるか、およびそれをご自身で再現できる可能性を感じられること、そして、そこへ必要な道筋を説くこと。

 

はじめに

 

まずは皆さんが物怖じせず声が出せるかを確認させていただきます。昭和育ちだったらなんとなく知っている古い歌を一つ、キーの高さは抑えめEmで。皆さん、お見事です。うたはお好きですね。人生のどこかでちょっと苦手意識をもたされてしまったことがある程度で。

 

ひと安心です。でも、グループの良さの一つは、周囲のみんなが出している声に紛れて、いつもより思い切りよく出しやすい、ということだと思います。

 

思い切りよく。これは大切です。

 

最初に、声を出してもらいます。私と一緒に、まるで発声練習のようなやつです。あーという長音を姿勢を変えながら。姿勢の変わったところで自分の声の聞こえ方が変わることを確認してもらいます。この事象の説明は、後ほどに。

 

そして今度は、低いところから、出にくくなる程度に高いところまで。まずはご自身の癖のまま、あ、の音を三つ言います。次に、屈伸をしながら同じことを。その次には、屈伸に加えてハ行の音を使って。と三回、同じようなことをします。この三回でどれが一番、音が出しやすかったですか?

 

ここから、発声は呼吸との関連が深いことが伺えることが説明できます。そこから、呼吸を阻害する要因を列挙することで、腹式呼吸の有用性の説明に入ります。前述の、姿勢を変えたことで自分の声が変わって聞こえる事象の説明にもなります。

 

次に

 

それほど呼吸が大事なのであれば、呼吸というものをやってみましょう。呼吸なんて、健常であってもなくても、必要なだけは常にやっていることです。必要なだけ、という量を、ご自身のからだの許す分だけ、に変えてみます。だいたい、眠っているときに腹式呼吸はしているものです。それを使えればいいのです。つまり、寝息のようにゆっくりと。寝息との相違点は、寝てる時はそこまで多量に出し入れはしない、ということです。はい。無理しない慌てない。慌てると、寝ているときと違ったやり方になってしまいます。

 

そこに、声を載せます。音階はありません。明確な発音もありません。それらがあるだけ、おとなは余計なりきみを生じさせます。

 

はい。思い切りよく、いつも以上に音が出せてしまいましたね。大きな音が出てしまって驚かれるかと思います。今まで、大きな声を出そうと思って出していたときとは違った状態であることに気がつかれましたね。大きな声などは簡単に出ます。そこ、頑張るところではないのです。という理解に及ぶと思います。そしてむしろ、歌を上手くきかせようと思ったら、小さな声をどのように制御できるかにかかるのだということになりますが、今日のところはそこまで行きません。

 

 

また、この時に気がついたことがありました。呼吸を阻害するものを取り除く過程の一つに、口角を意識してちょうど笑った時のような顔にするととれるものがあります。それまでは真剣な顔で向き合っていたのが、偶然、笑顔で向き合うことになったのでした。なんということでしょう。部屋の空気が変わりました。いい発見でした。

 

うたいましょ

 

はい。基本的な理屈を踏まえて、すごく簡単なうたでも歌いましょう。童謡です。童謡なら小学校でいやというほどやって、一つの迷いもなく歌えて、言葉だって下手すりゃそらで出てきます。これらの条件が声の出しやすさにも大きく関連することもついでにご説明です。

 

皆さん素直に、理屈だけを踏まえた状態で、声の出やすさを体感されています。素直さは最も大切です。ことにこちらは、名もなき町教室の無名トレーナーですから。鵜呑みにしていいものかと疑われて当然ですからね。でも、素直にやっていただけました。幸運です。

 

キーの選定は、おそらく低めだったことでしょう。なぜ低めにするかのお話もしましたね。低めの高さを出す時は、誰にも教わらずに自然と身体を楽にしている自分がいる、ということに気づいてもらうためです。この自然さすなわち緊張と対極にある状態を、知ってもらうためです。

 

このあたりで1時間を経過していましたでしょうか。

 

 

ではご希望の楽曲を

 

それでは、事前にご希望いただいていた楽曲を何曲か使ってみましょう。実際危惧していたことは、曲のまるまる全部を、参加全員が知っていることなんて、きっとないだろうな、ということでした。

 

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この20年、教室という現場で見てきてわかっていたことです。皆さん、このうたは知ってます、歌います、とおっしゃるのに、出だしがわからず、途中がわからず、結果いわゆるサビしか歌えない、という状態であるケースが異様に多いということです。90年代以降、商業音楽の質自体が落ちたせいもありましょうし、一般の方、のうたとの関わり方の大いなる変化のせいですね。カラオケのない時代、おおくの人がそらで流行りの歌をうたえたものでした。

 

で、やはりその傾向が見られましたので、皆さんほとんどが迷わず歌える箇所を使おう、ということになりました。この際、キーは原曲と、三度程度下、を使い分けました。そして、俄仕込みの呼吸と、現在のからだのバランスで、どこまで楽になるか、どのようにしたら歌いやすくなるか、試していただきます。

 

一般的に、上半身の重さを支える力が邪魔になりますね。これを回避するために、色々とまた、ありえない姿勢を試していただきました。力みの除去と呼吸のスムーズさを実現するために、ありえない運動まで行いました。(ちなみにこの、ありえない、が、理解の助けになります。)

 

 

これによって思いの外、ご自身の今日時点のからだで、ここまで変わる。こういう声の出し方があるのだった。ということを知っていただけたかと思います。

そして、それを自分で再現できるようになるために必要な反復練習の例を挙げてみました。

 

 

二時間、あっという間でしたね。一人二千円です。これは安いでしょうか高いでしょうか。私にはわかりませんが、楽しかったですね。こういう機会を今後は作っていけたらと思っています。なので、個人レッスンでなく、手軽にグループで遊び半分で、平日の昼間に自分たちの場所でやってみたいという方がありましたら、※お問い合わせフォームより私にご連絡ください。気兼ねなく声の出せる場所と参加人数さえ揃えていただければ、出張できるかと思います。

 

おまけ

お。私はここで気がつきました。著作権協会管理の楽曲を、たしかに営利目的に使用しました。でも、五人までの分は、すでに昨年春より月々引き落とされているので、安心です。これまでも、これからも、通常は対個人です。先方の指定で五人までという決まりなので、毎月都合四人分くらい多く支払っていることを思えば、その分は日本音楽著作権協会に貸しがあると考えていますから、安心です。

 

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