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本当にただの日記

ことしもよろしくおねがいいたします

気まぐれに、正月更新です。シブイオンガクスタヂオ、石村吹雪です。

 

ここ数年、規模の拡大にともなって運営するのに手一杯、という私の状況でした。しかし元来、規模の拡大など目標にしていませんでした。たまたま、追い風とともに巡り会わせた人たちがあり、結果すこし規模が大きくなってしまっただけなのです。何の後ろ盾もないけれども、音楽、あるいは音楽のようなもので生計を立ててみせる、とか、そういうことが可能になる仕組みを実現してみせる、という野望はありました。ただそれに法って進んで来ました。

 

ですから、この3年ほどは私自身戸惑いながら過ごして来ました。敢えて運営と言ってみせるものの、経営みたいなんですもの。経営なんて目指していないし、興味ないし、やりたくないですもの。それでも、この経営じみた方針で運営するチャンスを得て推進したことで、自分がやりたかったことが実現しやすくなったのも事実です。だからもう少しこのまま進んでみるために、講師陣が働きやすい場所を整えることに邁進してみようと思っています。

 

実は、つらつらとそのような方面へ考えを向けていくと、初心を忘れてしまいそうで怖くなったのでした。別段、必要以上に身の丈以上に金儲けに走ろうと考えているわけでもないのですが、自分が本来の講師業という現場の時間を半減させていることで、とにかく不安になるのです。これでいいのか?こんなことがしたかったのか?確かに生業として開業したけれども、いわゆる専門教育を受けていない者なりの一長一短を踏まえた価値を見出していこう、という姿勢でした。そう、それを思い出すために書いているのです。

 

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発声は思いのほか、生活に影響を及ぼします。ひいては、人生にも波及します。私自身がそれを体感して独立を目指しました。その経緯をあらためて書き起こしてみましょう。

 

小さい頃から歌を歌うどころか、人前で発言をする勇気もない、スポーツの場面で必要なだけの声すらも出ない、もうこれ以上挙げたら自分のことながら可哀想にもなるのですが、挨拶すら聞き取って貰えていたかどうか不安になるくらいの私でした。実際、振り絞った声は風に飛ばされ、勇気を出して示した意思は汲み取ってもらえず、挨拶すらできないのかと背を向けられたものでした。それが高じて、人と目を合わせず気配を潜めて過ごし、どうせ通じない意思は隠し、むやみに笑顔を見せない人物が出来上がりました。

 

もちろん、私の場合は生来の人のよさと、黙ってお仕事はやりぬくという地味ながら信用を得やすい特性があったので、ごく普通に学校を卒業してお仕事に就くということはできました。が、とてもとても人前で歌をうたうような華やかさはおろか、他人が見ていて清々するようなのびやかな雰囲気は微塵も表現できないわけです。ま、その点は今もあまり変わりないですが。

 

発声をちゃんとしないといけないと思わされたきっかけは、唯一自分にとって自由な表現であった作詞作曲作品の発表、でした。すなわち、うたごえをきちんと聴かせられるようにならなくては、自分の好きなことが他人に受け止めてもらえない、という絶体絶命の危機感でした。

 

自分の声を、言葉を、意思を、気持ちを、たった一度のチャンスに、聞き取って汲み取って感じとってもらえるようになることが目標でした。そのためには、他人の耳にとって聴きやすく、理解しやすく、そして気持ちよく、音声を受容器官に届かせるための発声を得なくてはならないと考えました。

 

まず、街の小さな個人教室に二年通いました。望んだわけでもありませんでしたが、その時点で講師にひきあげられました。理屈はわかったからです。しかしもちろん、自分自身の力に半信半疑な段階でした。おそるおそる二年続けた頃、自分の持ち味に繋がる声の存在に気づけました。そこから年々、自覚的に自分の可能性を広げていくことができました。

 

つまり、実際に講師業を始めて意図的に声を出す毎日を数年続けていくことで、ようやくなんらかが見えてきたというわけです。実に長い道のりです。もしかしたら、段階に応じた適正な師との出会いがあれば、もっともっと短期間で変わっていけたかもしれませんが、実際は生きるので精一杯でしたから、それは致し方ありません。

 

でも、このような、決して歌になど向いていない自分、を自分自身で仕立て上げていく作業を経てきたおかげで、生徒さんの特性に応じた、それぞれがなすべきこと、は見えるようになりました。私よりも資質的にずっと歌に向いている人が大半であることまで、体感的に知ることができました。だからこそ、以前の私よりも歌どころか喋り声が前に出てこない、ああこりゃ苦労するだろうな、という方の声をあらため、具体的にはうたわないコースからうたうコースへ進展させた経験は、私の価値をきっちりと体現できた証でしょう。

 

といったまどろっこしいところが、私の講師としての価値なので、いわゆる中級上級者むけとは言い難いです。しかしそこは講師業20何年目だか、もうよくわかりませんが、割り切れます。私よりも、歌唱発声のコースを得意とする講師陣を迎えることで、教室としてのバランスを保っているつもりです。それが、ここ数年来のシブイオンガクスタヂオです。

 

春ごろから、私自身も二年ぶりに新規募集を開始できるようになるかと思いますが、こんな私が声をかけてあつめた講師陣が、わりと常時新規募集をしています。気軽にお申し込みください。

 

本年もシブイオンガクスタヂオ、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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