職業としてのボイストレーナーか、否か

多分おそらく、今現在でも資格というものがないのです。ボイストレーナーという職業には。だから、正確にはプロとアマチュアの区分はありません。それを区分するのは実績のみです。つまり、食えているか食えていないか。

 

わ。書いてみて自分で驚きました。私はある時点から確かに、食っています。独立する前から、このお仕事だけで食わせていただいて参りました。プロじゃん。でももちろん、世間一般が信頼または安心するような専門教育は残念ながら受けていません。

 

実に、曖昧な職業です。では、専門教育受けているから100%安心かと言えば、どうもそんなことではないようです。100%でない残りの部分を、確かに私が請け負って担って生きて来られたと言えるからです。

 

今思うのは、ボイストレーナーという職業が実は確立していないからこそ、誰にでも可能性があるからという意味でも、ボイストレーナーになるつもりで、始めればいいんじゃないか?と言えるということです。

 

どういうこと?と思われるかも知れません。つまり、ボイストレーナーは発声のメカニズムを通じて自分の身体の癖を知り、どのように日々を過ごし、どのように自分を維持あるいは高めていくかを心得ている存在です。だから、他人の声の出し方、身体に対する考え方、がわかるようになります。人のふり見て我がふりなおせです。どんどん進化していけます。

 

今実際に、その観点で向き合ってみている人が、今までと違ってどんどん発声が安定して来ているのを見ると、やっぱりそういう考え方も有効だな、と思うのです。ボイストレーナーは資格がないし、なったところでお金にもなりませんが、生きていく上で有効です。ということがわかりますから。