会社を休んでボイストレーニング

いやちょっと待て皆さん冷静に。

 

もちろん会社を休むのはご自由にどうぞ、でも。そんなのお勧めしていません。

 

しかし人生の中には、そんな一日があってもいいでしょう。私もかつて会社員の頃、三日間無断欠勤を続けたことがあります。会社からの電話にも出ず、何もせずに逃げるように身をかがめ過ごしていましたっけ。あんな三日間よりもずっと充実の一時間をもたらすべく、日々、糞真面目にやっております。

 

今。会社休んでまでボイストレーニングに出向いてみよう、或いは勤務時間中こっそり行ってみようと思わせる何が、ボイストレーニングにあるというのでしょう。不思議に思えるほどです。

 

しかし、そんな皆さんのご希望というのは、意外にも切なるものであったりします。

 

本当にうたが苦手なの。

人前でうたうなんてとんでもないの。

でも、社会人としてはある程度仕方がないの。

 

といった例は確かに、以前もいくらでもありました。

 

しかし近年は、勤務時の姿勢のせいもありましょう、日常生活での姿勢のせいもありましょう、身体がかたくなり呼吸が浅いことが、二次三次的に身体に悪い影響を及ぼしている例もあるようです。改善へのとっかかりとして、呼吸を重視するボイストレーニングは確かに有効でしょう。

 

また、あまりうたわないコースへのご希望をされる方、想像以上に多いです。

 

声を、言葉を、意思を相手に伝えることは、これほど電子的コミュニケーションツールの発達が進んでも、結局必要不可欠なものであることがうかがわれます。

 

出不精の私は、こちらへお申し込みいただく皆さんの声自体を、社会の窓にしています。

 

現在水道橋教室に、空いた曜日があります。ここへ、声だけではない身体のためのボイストレーニング、といった形の講座を開くことまで考えています。

 

 

渋井銀三郎さんはいいます。

 

声の制御は息の制御であり、息の制御は心の制御です。

そして、心の制御は身体の制御でしょう。

 

と。