ここでは何度も書いてきたことですが。わたし自身は、歌にも喋りにも適さない、聞き取れない声と言われ、大声あるいは歌えば、苦しそうな声と言われたところから、ボイストレーニングとの付き合いが始まっています。
ゆえに、どうして声が小さいのか?聴き取ってもらえないのか?疲れやすいのか、或いは、苦しくもないのに、聞く人は苦しそうと感じるのか、という疑問の理由は、頭でも身体でも心でも理解しています。
つまりよくある、小さい頃から上手だったからそれを職業にした、というパターンとは逆です。ゆえに当然ですが、いわゆる上手でない人、のその理由も分かります。
ボイストレーナーのやり方はそれぞれで、画一的である必要もなければ、マニュアルはむしろ不要です。人それぞれ、声は違うし、今のその声に至る道のりも千差万別。だから、シブイ講師陣はそれぞれのキャリアをベースに、且つ相手によって違った手順でレッスンをすすめているはずです。わたし自身も、毎月毎月手を替え品を替え、より伝わりやすい方法を探し続けています。
このお仕事は、自由だと思います。
ここまで読んでいただければ、ボイストレーニングは、出会った講師との相性次第であるから、そこ大切にしましょ、と常々唱えてきた理由がお分かりいただけましょう。なので、経歴や現在の活動の様子も探したら分かってしまいやすい現在なら、体験レッスンは、講師が自分とあうかどうか、ということの確認をする場でもあるという臨み方をしてもいいのではないかと思います。
逆に、今年のテーマに即して言えば、ボイストレーナーのお仕事は経験知がものをいいます。対峙したその人が、何が得意で何が苦手か。例えばあるいは、積極性をもっているのか隠しているのか。隠し持った可能性に気付けるかどうか。その逆に、高すぎる自己評価が故に勘違いをしているかどうか。といったことは、音楽の専門教育を受けただけの人、よりも一般社会人経験の視線が活きる場合も起こるわけです。と言うことができます。