体験レッスンの実例○○○○

  これはもう、断言してもよいでしょう。九割方の人は、呼吸を意識したことはなく、口は開いていないものです。そして、この点に気づくとたいていの方は、あららという顔をなさいます。繰り返しても、慣れて来ても、実にこの一見簡単にみえる基本的なことがなかなか出来ないことが分かります。

 

 さて、自称音痴さんのお話です。ピアノの音がとれません。だから、ちょっと高めの曲を、その通りにこちらがピアノで弾いてみせても、その高さでは全然歌い出せません。しかし、その時点で可能な音域に移調して弾いてあげて、ガイドとしてこちらも歌ってあげると、音を外すことはなくなります。ああ、これにて自称音痴さん、音痴失格です。

 

 という説明をして、ちょっと安心をして頂きます。その上で、文字にしてしまうと簡単なこと、口を開くように注意をします。すると、これがなんと自分の思っている通りには口が動いていないことに驚かれます。極々注意して慎重に、そして確実に自分の思い描いた程度にでも口を開くことが出来た瞬間は、声の出方が全然違うことに気づかれました。そして、これなら出来るかもしれない、と思っていただくことで、歌をうたうということ自体に対する不安を乗り越えて、ご入会。なんてケースがありました。

 

 人は本当にそれぞれです。何がきっかけになるかは、分かりませんね。