かれっぱなしの彼女

ベランダ

かれっぱなしの彼女のお話を書いたところ、ご本人よろこばれているので、また書くことにする。

書かれるのは困るという声もあるため、たいてい自重するのだが。

ボイストレーニングを進める上で、生徒さんのタイプを判別するのは大事だと考える。

この方の場合、決して歌が苦手なわけでない。発声そのものに無理があるもので、そこに気づき改めてみるだけで大きくかわる。

そしておしゃべりである。おしゃべりにおける悪癖を指摘自覚解明することから始めて、おしゃべりに近い曲調から歌に入ってみることで、その道筋をつけてあげるのがいいかと思った。

幸いにも前回以降日々、その口数の多さを利用して、楽な発声を模索してくれていたので、こちらとしては助かる。その意識を持つことが大事だと書くつもりだったが、かれっぱなしの彼女がいいことを言った。

「一日なん分やろうって決めるより、常に意識した方がいい」と。

まったくだと思った。私もかつてそうして過ごしたものだった。変化進化効果を体感したければ、そうすべきである。

 歌をどうかしたいと言ってボイストレーニングに通う人は確かに増えてきたけれど、発声そのものの問題はメロディーのないおしゃべりの段階で、気づき改めるのが先決であるとは、拙著「うたわないボイストレーニング」にくどくどと書いたっけ。


最近お問い合わせが多い、うたわないコースにいらっしゃるみなさんは既に、うたう以前の練習もしてしまっていることになる。わけだなあ。

今までもよくあったものの書き残さなかった、生徒さん自身の名言、は、忘れないうちに書いていこう。