ボイストレーニングの成果のみかた

 

大仰な題名です。

さきの日曜日に会員限定、シブイの小音楽祭を開催しました。

私自身、小学生の時に出たこともあったピアノの発表会の記憶は、大変息苦しいものでした。

綺麗めの服を着て、演奏前後のお辞儀、少し着飾ってみた親御さんたち。何より、縁もゆかりもない楽曲たち。

その様式美というものに、今更ながら捨て難い魅力があるのも本音ですが、会社員時代には上司に「パジャマで会社に来ないでください」と言われたような私には、堅苦しいことは苦手なのです。

あれから三十年。発表会の意義はそれなりに認識しています。ボイストレーニングでは、発声を教えています。その成果が最もよく分かるのは、混じりっ気のない、声だけの発表会です。

今回、伴奏は私のピアノかギターに加え、袋五郎八先生のギターだけ、という声がよく聴こえる形の発表会が出来ました。飲食物は、会員の持ち寄りに期待して。これが期待を大きく上回る豪華な品揃え。実に和やかな宴会もとい発表会になりました。

ここ数年、シブイ音楽祭と銘打って豪華なバンド演奏を売りにもして参りました。それだけを目的に入会される方も歓迎もして来ました。が、結果で言えば、その形はもはや発表会の意義からは外れてしまったのかなと、実にこの一年は苦悩するが如くに考えて来ました。シブイ音楽祭は、年に一度の祝祭にするべきです。

そもそも発表会が終わったら通うのを辞めてしまうのでは、全く意味がないわけです。大事なのはそのあとのレッスンなんですもの。

否応なく声ばかりが聞こえて来る環境で、声だけで勝負、という形は、次回音楽祭出場権を得られたご来場会員のそれぞれに、適度の刺激をもたらしたと思われます。

シブイオンガクスタヂオは九年目。何故か個性派揃いだった会員の顔ぶれもあらかたさま変わりして、また一からやり直す巡りになったようです。会員の皆さん、これから絶対面白いから、ついていらっしゃいよ。