返信たより十月十二日

 石村吹雪さま

こんばんは。今日も笑いと気づきに満ちたレッスンをありがとうございました。
 
 
おお、笑いと気づきに満ちたレッスン。もしかしたら、とても有意義な時間だったのではないでしょうか。困ったお友達を呼びたくなるような。


感覚が新鮮なうちに、今日気づいたことをまとめました。以下、箇条書きにいたします。
 
 
箇条書きは安心ですね。そしてやはり、鮮度は高いに越したことありませんなあ。


・フレーズ終わりにため息をつくように息を抜くと、終わり方が柔らかく聞こえる。次の息が吸いやすい。緊張していた喉がフっとゆるむ。
 
あれまあ。こんなことここに書いていいのでしょうか。喉の緊張をとる、なんて簡単に言ってみますが、実に簡単じゃないのです。今までの発声の癖の中で、いかに声を出している間に喉周りを緊張させているか、ということに気がつくことは、大事です。そして、これを心掛けてみると、その度合いがどの程度なのか分かりましょう。落差、という言葉を使いましたね。落差が少ないと、それだけ喉の緊張から解放されている証拠と理解出来ます。そして大事なのは、次の息がしやすい、ということでした。新鮮ですねえ。ところで、いわゆる上手な人、と言われている歌手の声をよく聴いてみると、分かります。


・喉がゆるんだときの方が、高い音程でも比較的楽に出せる気がする。
 
言い換えると、ゆるめても高めの音が出た、ということになりますね。いったいどういうことなんでしょうねえ。


・意外と声がかすれている。かすれるのは、出だしの思い切りの悪さが一要因。沢山息を吸ってから、思い切りよく(自棄心を発動させる)最初の一声を出すと、かすれず、裏声にならず、音量も大きめを保ったままで歌える。
カラオケのマイクは罠。自分の声が大きく聞こえて、さらにエコーもかかるので、何となく上手く聞こえてしまう。かすれや、実際はあまり声が出ていない(口が開いていない)ことなどに気がつかない。
 
自棄心を発動って、いいですねえ。そのように切り換えられたら、あとはまずそんな自分に気がつけるかどうかです。最初のうちは、力まないようにって思うと逆に、掠れ声を出してしまいますね。それは、小声で話そうとした場合の出し方によく似ていると思います。それでは、ないのですねえ。
カラオケマイクは罠。いやー、このおかげで皆さん快く歌えるのですから、存在を否定はしませんが、練習するという気持ちならば、マイクは使わない方がいいですよね。ただし、逆にストレスがたまる可能性も否定出来ません。なので、ほどほどに。


・毎回のレッスンで、何はなくとも吸って・吐いては必ず意識したい。それだけでも大分歌いやすくなるはず。あとは笑顔。
 
この飯田橋教室の一階には、貼り紙がしてあります。ここでは吸う。と。その意味がお分かりになりましょう。あまりにも当たり前のことすぎて、皆、なかなか常々は意識出来ないものです。


今日は『正しい日本語辞典』が個人的にツボにハマってしまい、笑ってばかりで失礼いたしました。
 
正しくは、ダイソーミニ辞典シリーズ9、正しい日本語事典、です。これはねえ、百円とは思えないクオリティです。何が一番いいかって、笑えるところです。笑うことはいいことです。ダイソーのいいお仕事のひとつですね。


次回は二週間後ですが、その間日々呼吸を意識しつつ、カラオケにも行きつつ、笑顔で過ごすことを心掛けたいです。
次回もよろしくお願いいたします。
 
決して不幸な生活ぶりでもないでしょうに、笑顔で過ごすことを心掛けたい、というのがあなたの愉快なところですね。笑顔は悲しい顔より周囲に波及します。これはとても分かりやすいことと思います。と同時に、声の出し方も、周りに波及します。この点について、お時間があれば考えてみてください。なぜ、ボイストレーニングが有益なのであると我々が言い張るのか、という点に繋がって来ます。