さてさて。最近は、体験レッスンの後でいただいたメールをコピペするという、それなりに有意義と思えるものの、とても雑な記事を載せてまいりましたが、
じゃあ一体体験レッスンの後、どんなメールを書いてきたのか、というものをひとつ公開しておきます。この方は、学校時代の音楽の先生に、ひとりひとり歌を歌わされて、音痴ねと軽く言われたことが、やっぱり記憶から離れない方のようで、実にそういったものは30代になっても忘れられないわけで、無用な苦手意識がある方だったため、レッスン後に書く私のメールも妙に熱く長くなっておりました。
おそらく、他の方よりも長く馬鹿丁寧になっていることでしょう。けれども、ほぼ内容は、同じような文言になっていると思われます。以下です。お名前だけ、伏字というか私の名前にしてコピペです。またコピペか。
石村さんのお声、お話し中の胸部共鳴は心地よく聞こえますが、肝心の表情をつくるための頬が上がっておらず、発音の明瞭さに欠けてしまっています。それと、発声初期段階の喉癖のため、ジリジリと硬い音が出ています。これが歌となると音程の不明確さと発音の不明瞭さおよび暗さを生み出してしまい、やはり少しもったいないですね。
今日行った内容は、基本的な発声の仕組みと実践、くらさを抜くために頬をあげること、喉癖の除去イメージを持っていただくために飴玉を奥歯に挟んで頂きました。これらが叶った時、とても声がまえに飛んで行くような感覚が得られたかと思います。
幸い、運動がお好きということで、ゆっくりと沢山息を吸うという動きはすぐにお出来になりました。あれを反復練習で、さりげなく素早く出来るようになるといいと思います。吸い方はとてもいいです。
に対して、吐く時つまり発声する時は、どうしても自覚の少ない喉癖が出てしまいます。胸、喉部分あたりには、いっさい力を入れられませんよ、という姿勢と、出だしの硬さを軽減するためのハ行からの発声が参考になるかもしれません。吐く、という動きを腹部のみをつかって行う、というイメージです。
さて。シブイオンガクスタヂオは現在大変混み合っていて、水道橋の昼間の時間帯ばかりに空きが見られるばかりですし、一人でどうしたらいいかについて、以下に記します。
呼吸の練習
ゆっくりと、胸部を膨らまさずにできるだけたくさん吸うこと。吸えるようになること。これは単純な反復だけでいいでしょう。
そして、吸った息をただ吐き出すだけの上に、かるーく言葉を載せます。文言はなんでも結構です。そして、言葉を言い終えたら、振り絞った喉を一気に脱力した時のように力を抜いて、上記の注意を守って吸ってあげる。この繰り返し。
これによって、呼吸の確実性が増しましょう。
喉癖の除去
飴を使った時のように、奥歯をあけた、発語にはとても難儀な状態で、確実に息を送り出しながら、そこに、はーとかほー、とかいった喉に無理のない音を出させて、胸部共鳴を楽しみましょう。その音の塊に対して、歯、唇、舌で遮る形で発音を形成します。スカッと発語が出来たら上出来です。喉癖の除去はなかなか自覚が難しいのですが、明らかに綺麗な音が出たならば、大成功です。
発音の明瞭化および音程の向上
実は、この二点は頬をあげて、前歯がのぞく程度にしてあげるとかなり改善されます。ただし、鏡を見ないと、ほぼ絶対に自分では確認できませんし、あがりません。なので、鏡でみることをおすすめします。
重心の安定
応援団の姿勢、だの、壁に寄りかかってだの、やりました。上半身の重さを支えるためのりきみ、というものがどうしても発生します。声を支えるのは腹筋からわき腹にかけての箇所です。上半身はそこ以外には力が入らないように注意すると、大変気持ちよく声が伸びます。これを体感して気持ちいいと感じていただければと思います。
カラオケ練習の注意
全体の音量はできるだけしぼってください。エコーはオフ。というより、マイクは使わないほうが練習になります。自分の声が聞こえにくいと、喉でがんばって、硬い音が出やすいですから、出来るだけ自分の声がよく聞こえる状態を作ってください。
ご自宅で静かに練習するには、鏡を見て、お好きな歌を息だけで歌うことで、呼吸の練習および頬をあげる練習ができます。さらには、重心を確認することも可能です。こうして書くと、ご自宅でもかなり練習はできると思います。しかし、ご自身の声を好きになるために歌よりもまず、話し声をイメージした自由な朗読もいいかとおもいます。
好きになったら、歌も気持ちよく歌えるようになるのではないかな、と想像します。
本日はどうもありがとうございました。ご質問あらば、お気軽にお寄せください。
石村 吹雪
シブイオンガクスタヂオ
http://cvongaku.com/