ボイストレーナーというお仕事

ボイストレーナーというお仕事。

について、20代の終わりに考えました。

 

そもそもこんなもので生計が立つのか、という点はもちろんのこと、世間的にどうなのよっていう見方、それから、このお仕事自体にどれだけ価値があるのか、というさまざまな観点から言っても、難点の多いお仕事に見えたものでした。

 

しかも、当時はまだ所謂駆け出しであり、経験も少なく自信もないわけで、さらに言えば私の場合は、ボイストレーニングに通っている、という事実を、友人はもちろんのこと、出演していたライブハウス関係者の中でも一切、口外していませんでしたから、相談相手もありません。

 

しかし、まだ数少なかった生徒さんが、喜んでくれたこと、そして、これは歌を歌う上で重要とされているけれど、一般の人が、一般社会生活を送る上に於いても、「きれいな、きちんと意思が伝わりやすい声での発声」を得ることは、大変有益であるんじゃないかと気がついたことで、しばらく生業にしてみるのもいいかもしれない、と決めたのでした。