たなからぼたもちは落ちてこない

割と長年、通っている方のお話をします。シブイに於いて割と長年、といえば、10年生くらいをイメージしてください。

年がら年中、酒で喉をガラガラさせていて、カラオケに行けば出るはずもない高さのメロディを、出てなくても構わず陽気にがなるようなタイプの人のお話です。楽しいキャラクタなので何年かごとに話題にしています。

喉を痛めないようにすることや、綺麗な声を使えるようにすることまでは、順調でした。しかし、歌といえば基本的な、メロディを覚える、とか、その覚えたメロディを自分の声で再現する、いえ、それまでに覚えた、綺麗な声で再現する、ということについては、少しずつ年月をかけて固めてきました。

この春の外出自粛の時期は、猫背を治すべく体幹を鍛えるということだけを、歌のことなど忘れて頑張っていたそうです。そして、6月に再開する頃には、立ち姿がすっかり変わったばかりか、歌声は伸びるし、なんと音程がきっちり聴こえてくる歌声になっていました。

当人も驚きのたなぼた。いいえ。たなからぼたもちなど落ちてきません。当人は来る日もくる日も、YouTubeで探し出しては励んでいたんです。歌ではなく体幹トレーニングを。旦那さんのリモート会議に音楽が入り込まないようになど、気を遣いながら。

おかげで。重心がブレにくい身体ができてしまったわけですね。

こうなってくると、歌うのが楽しいわけです。うたを録音して、直したいところを探すうちに、どんどんじょうずに、なっています。以前はそんな録音の手間など、かけなかったのに。楽しくなってしまえば、あとは正のスパイラルです。

 

個人的には体験レッスンを二年ぶりに再開して、三ヶ月が過ぎました。初めてボイストレーニングを体験するという初々しい顔を見ていると、自分も初心に帰ることができます。そうだ、初心に帰るついでに、またあらたまってブログも再開しようかな、と思った八月でした。