記録と記憶。

寒い。神保町教室のあるビル、夏はしっかり蓄熱、冬はキンキンに冷やしてくれる、とても素直な性格です。なので、しっかり呼吸と声出しすることで身体の熱を上げていくにはちょうど良い季節ですね(前向き)!


さて、先日新たにご入会された方のお話し。

その方はとてもありがたいことに毎回のレッスン後には、その回での気づきを詳細にメモされており、その後の日常の中で反復実践されております。
そして、次のレッスンの前にはその自主練習の記録と、気になったポイントをこれまた詳細に記録してメールでお知らせしてくださるのです。

そのおかげで、レッスン時のポイントやその方のウィークポイントの洗い出しが非常に効率良く進んでおりますし、まだご入会まもないものの、今後も上達速度が上がっていくことは間違いないと確信しております。


この、ご自身でレッスン内容や気づいた点をメモするという行為、僕自身も含めて、なかなかできそうでできないもんです。

おそらくこの方は日常生活やお仕事の中でもそうされてるからこそ、でしょう。職場での信頼度も想像に難くないですね。


歌や発声というものは、突き詰めて考えるとある種の筋肉運動です。例えば飛距離を出すための投球フォームや、効率良く長く走るための腕の振りや歩幅、といったスポーツのそれとなんら変わりません。

と考えると、当たり前のように反芻した回数がモノを言います。
そして、その反芻の際に効果を発揮するのが、先に書いたような各々の「記録」だと考えます。


無論闇雲に繰り返し練習しても、いつかは上達するでしょう。しかしそれは遥かに長く無駄な道のりです。

何がウィークポイントで、何が足りてないか、把握しながら次に臨む、という行動をプラスすれば圧倒的に上達速度は早まります。そして、その記録すべき情報をお伝えするのが我々ボイストレーナーの仕事であると、僕は考えています。


スキルの習得というものには、その種類を問わず、反復行動による身体各部の「長期記憶」というものが必要なんだそうです。
その記憶の手助けに、ぜひみなさん「記録」を活用してみてください。

レッスン終わって電車の中で、スマホのメモ帳に箇条書きで一言二言、それだけでも劇的に上達できることをお約束しますよ。

 


神保町教室担当 クボフミト