きみもボイストレーナーになってみないか(2)

このままでは本当に三輪さんにシブイブログを乗っ取られてしまいます。別にいいけれど。証言。確かに、三輪さんの話し声は高く、よく響きます。思い起こせば26歳までの私には、なかったものです。もちろん私は小学校で一人一人歌わされるなんて、恥ずかしすぎて絶対拒否派でした。

と、下書きを書き始めてから、しばらく時が経ってしまいました。その間に、三輪さんは自己紹介を始めて、リズムトレーニングのお話を書かれています。おそらく、多くの方にはピンとこないかもしれませんが、リズムの重要性は、ことに楽器を演奏するとわりとすんなりと知ることができるかと思います。簡単です。カラオケと同じように、速くなったり遅くなったりせず、楽器が演奏できるだろうか?ということです。歌は割合、伴奏の上に乗っかっている感覚が大きいと思いますから、体感しにくいかもしれません。というわけで三輪さんには、リズムトレーニングの経験談などをここで開陳していただくことで、興味を喚起し門戸開放をしてもらうことを目指しています。というわけでますます今後、私よりも記事が多くなりましょう。

などと三輪さんについての説明を加えようとしていたところ、神保町教室のクボフミトが音楽業界から華やかに転身をする旨、公表されています。この辺りのお話もここから一ヶ月ほどは、書き残していただきたいなと考えています。皆さんお気づきかと思いますが、シブイオンガクスタヂオは講師優先で運営されています。ええ?生徒優先じゃないの?と言われるかもしれませんが、ボイストレーナーは替えのきかない特殊技能を有する者であり、そもそもそこにボイストレーナーがいなければ、ボイストレーニング教室は成立しないのです。簡単に言えば、怪我して教室に来られなければ、成立しないのですから。ですから結果的に講師優先となります。つまり実はごく普通のことです。

とは言え、ボイストレーナーだけで一生をこなすのは極めて至難です。だから私はクボフミトの資質がどのようにでも伸びて行けるように、まず最初に場所を提供しました。レッスン以外の用途ができてもいいように。ここにはいろんな方が出入りしますから、そのような教室の使い方をするよりも、空き時間は人に時間貸しするとかしたほうが、利益が出るのでは?というもっともな忠告をいただくことも実際多々ありました。そのあたりの声には、結局耳を貸さないようにしたその先の、この度の転身です。喜ぶべきことだと考えています。

神保町教室の今後

 さらに、クボフミトが転身するにあたり、神保町教室を活かすか殺すか、この判断を今現実に迫られています。というわけで、いろいろなことがこれからシブイオンガクスタヂオでは起きて参ります。シブイブログ更新をお楽しみに。

きみもボイストレーナーにならないか?(2)

 さて、昔話に戻ります。その、ボイストレーナーに就いて半年がすぎた頃1998年当時私は教室のホームページを作っていました。あの当時はあまり、市井の、安価なボイストレーニング教室は少なかったので、完成アップロードとともに大量のお申し込みをいただいたのを覚えています。その、ホームページを作りながら一貫して社会的意義、というものを意識していました。企業体しかり、社会に貢献できないものなんか存在する必要がない、というお堅い発想は今もあまり変わりありません。

 たとえば、こうです。一般の人が歌なぞうまくなったって世のためになるかいな。あの当時はまだ、ステージに立つ人は限られた人でしたし、自分自身がまだ技能的に半信半疑な段階で適切な指導が常に出来ているとも、とても思えない試行錯誤の真っ只中だったものですからなおのこと、自信がありませんでした。こんな時間が果たして一般の人のために、なるのだろうかと。何ができるのだろうかと。

 当時の答えは、こうでした。いやいや、声を出すのが楽に、負担なく、そればかりか気持ちよくなるならば、実はいろんな側面から気持ちよく生活できる人が増えるだろう。だから、少なくとも無意味とは言えず、有意義なものである。はずである。だからあるのだ。この仕事は。まだまだ未熟すぎるけれども、確かに、成果を感じてもらえる人が増えてきたのだから、いいのだ今、こうして働いていても。と。

 

つづく