体験レッスンの実例○○○○○

 自称音痴の方の大半は、いわゆるご謙遜、なわけですが、その程度に自覚のない方、すなわちかるーく音痴気味、でもそんなに気づいていない、という例もあります。こういった場合、音痴云々をこちらも気にする必要がないのですが。最初は私も気づかなかったのです。が、呼吸を整え、口の開きを教えているうちに声量がぐっと上がり、そこでようやく「あ。このひと、気づいていないし、あまり気にしていない」と、気がついたのです。

 

楽しく体験レッスンの後、入会されてもしばらくは、部分部分でびっくりするくらい音が外れていました。しかし、発声優先の方針なので、決してそこを追究するどころか触れもせず、しばらくは気持ちの良い声の出方を知って頂くことに専心しました。正直に言えば、こちらも平均律に慣れた身体なので、集中力と根気が必要です。

 

そしてある時、ご自分で気づかれたのでした。「あれ、私音はずれてませんか?」と。「よーし、よくぞ気がつきました、おめでとうっっ」。くよくよしない方なので、そこから改めて、音程を気にしつつ発声をする、という段階を踏むことが出来、改善されていきました。

 

音痴なんて概念も。こういうケースではあまり意味がありませんでした。