喋りで培うボイストレーニング


先日、アメリカ人の若者と三時間ほどお話をしました。

よく言われることですが、言語の性質上日本語は、呼吸が浅くても充分話せるわけです。対して、彼の話す日本語のよく響くことよく響くこと。

良い声とされるものが、呼吸と必要最低限に抑えた喉の緊張によって作られる以上、我々たいていのボイストレーニングを要し且つ希望する者は、その素地作りを普段から行うべきでしょう。いつも言うことですが、教室へ払うお金がもったいないからです。

声が聞こえないと他人から言われる方、実際自分でもそう思う方は、息を普段より多めに吸って、欠伸をしながらあほかーとか、ばかかー、などと言ってみましょう。部屋で独りなのにも関わらずあたりを憚る気持ちになるほど声が響きましょう。試しに、息を吸うのを省略してやってみましょう。どんな違いがありましょうか。

もしも違いを感じられたら、毎日やってみることです。人によってはこれだけでもコツが掴めましょう。高いお金をかけて教室へ通う必要がなくなる場合さえあることでしょう。

もちろん、更にそのまま歌にも転用できたら、あなたは幸運です。絶対にそういう方もいることでしょうが、私は不運でした。だから繰り返しやってみるより他なかったわけです。不運なみなさんとともに、今日も一緒になって呼吸の練習です。この意味で、私は練習のチャンスに恵まれていると言えます。