グループレッスンの思い出

 うたわないコースの小松です。

 
シブイで教え始める少し前から、某所で学生を対象にした
グループレッスンをさせて頂いていました。
 
個人レッスンとグループレッスンの違いについては
先日もチラッとだけ触れましたが、今日は
グループレッスンだからこそ出来るレッスンについて
少し書きたいと思います。
 
4名のグループがある程度広い部屋にいるとします。
1名が壁際に立ちます。仮にAさんとしましょう。
他の3名はそれぞれ部屋の好きな位置に移動して
Aさんに背を向けます。Aさんと3名の距離は
遠い・ほどほど・近い と言う感じにバラけると良いです。
 
Aさんは3名のうち誰かひとりを選んで声をかけます。
「おーい」でも「こんにちは」でも何でも自由です。
3名は背中を向けたままその声を聞いて、誰に声を
かけられたか当てる、と言うゲーム感覚で出来るレッスンです。
劇団などでは昔からよく行われていてバリエーションも豊富です。
 
Aさんは声をかけると決めた相手の位置・距離を見て
正確に声を届けるにはどうしたら良いかを考えます。
どの程度の音量で高さで、速さで?
…考えることがとても重要です。
 
そして考え抜いたAさんが発した声を聞いて
今度は3名が考えるわけです。
 
「私より右側の人じゃない?」
 
「自分より遠い人だと思う」
 
「ちょっと緊張してる声だったよね」
 
などなど…声を聞いて感じたことを相談してもらいます。
どうしてそう思ったのか明確にできるよう、私からも質問してサポートします。
 
「声が大きくて一番近くで聞くとうるさく感じたから自分よりも遠い人だ」
 
「声が高くて(低くて)緊張しているように感じたから年上の人じゃないか」
 
とか。
 
3人が答えを決めたらAさんから正解発表!
なのですが、結果はあまり問題ではありません。
 
どう言う意図で発声したか、結果どう受け止められたか
全員で確認するのが一番大事な時間です。
 
 
 
ちなみにある時このレッスンで
とある生徒がひとりの背中めがけて
 
「今度デートしてください!」
 
と声をかけたことがありました。
 
結果は…
 
当てる側の3人が謙遜して譲り合い、見事ハズレ。
その後デートできたのかどうかは知りませんが、
まさしく青春を感じさせる見事な発声でした。