石村先生、こんばんは。
はいこんばんは。
前回のレッスンで「きちんとしない」とか「のびのびと」などの注意がありましたが、なかなかできません。
私はレッスンで歌うとき、いろいろなことを「しなくちゃ」と思いながら歌っています。
力は抜かなくちゃ。
高い音のとき喉が締まらないようにしなくちゃ。
笑わなくちゃ。
練習曲のときは更に、
Aメロでは語尾を伸ばさないようにしなくちゃ。
Bメロからは抑揚を付けなくちゃ。
…などと思いながら歌っています。
もしかして、こんなに気をつけなくていいんですか?
こりゃまた、たくさん気をつけてらっしゃいますね。それはそうですね、もともとはこちらがくり返し言っていることですもの。たいていの方は、頭いっぱいいっぱいになってしまうものです。それがために、逆に窮屈になってしまうケース、は実はとても多いです。そして勿論、それでは目的は達せられません。
そこで、そんなにきちんとしないでのびのびねーっとか 安直に声をかけてしまうことがあります。
これは、反省を要するところです。しなくちゃという言葉に対して矛盾してしまいますものね。
しかししかし、ひとつひとつ見直してみましょう。
力を抜かなきゃ、喉が締まらないように、笑わなくちゃ。これ、何のためだったでしょう。そう。すべて目的はひとつです。息が流れやすくなりますようにという注意点の言い換えに他ならないのです。で、それはどうしたら実現するかと言えば、今の季節なら分かりましょう。寒い外出から帰って一息ついたときの脱力とためいき。あれを、発声の中で再現出来ればいいという話です。すなわち、これら注意点全部が、ほっとした時のような、緊張しないきちんとしない、という状態なのです。
ボイストレーニングは、つねづね何かと脱力のコントロールが必須になります。脱力出来ている自分を意識的に再現することって、案外難しいものです。なので、いろんな観点から、いろんな注意点として挙げて行きます。しっくりする言葉と出会えますように。