リピーター

先日、野球が馬鹿みたいに好きな先輩とお話をさせていただきました。彼の言葉、勝負は勝ち負けじゃない、という言葉が大好きです。その席で、今更ながら野球観戦のリピーターを作るにはどうしたらいいかという話題になりました。私の中ではこのとき、私がその作り手主体にはなり得ない、という結論が即出てきたため、真面目に考えるのを中断しました。私とは無関係である故に好きになさい、という線を引く癖はいつからあるのかしら、と今思います。

 

実は奇しくも、ボイストレーニング教室のリピーターという言葉が先週自分の中で巡っていたのです。

 

かつてピアノを幼少時に習っていた方は、驚くほど多いものです。そして多くの人が、今ではとてもとても弾けませんと仰います。何らかの理由でお習い事は中断するもので、よほど好きで、また環境がそれを許さなければ、ずっと継続していくことは難しいことでしょう。私自身小学校に上がる時に、これから忙しくなるからお習字は辞めますと堂々と先生に申し上げた記憶があります。忙しいわけもないのに。

 

シブイオンガクスタヂオは13年目を迎えました。その間にいったい何人の人が入会しそして退会していったのでしょうか。まったく考えたことがありませんし、必要な情報でもないでしょう。しかし、一度やめて数年後再びやって来る人は、なくもないのです。

 

昨年の一月。当時二十代前半だった青年は、二児の父となって現れました。呼吸すらすっかり忘れてしまっていましたが。そして今日。やはり当時二十代前半だった女性が、二児の母となって現れました。シブイ飯田橋教室の中を、手をつないでうろうろと歩きまわっているのを、私はどんな顔で眺めていたのでしょう。

 

何だかなあ。わるくない。話じゃありませんか。