体験レッスンを行った。
ほぼひと月ぶりではなかろうか。ありがたい話である。お電話での申し込みであった。本当はあまり好きでもない電話にも、やはり出てみるべきなのだな。
しかし約束の時間に、現れない。待つ。電話がくる。道に迷っているという。方向おんちだそうで、余計なことは言わず、待つ。
30分遅れ。
自称音痴。またか。でも、家族親戚は歌手の誘いもあるほど上手。とのこと。家族から音痴と言われ、歌うのが好きではないと。
なので、じゃあ、もみじ、いこか。
あらゆる期待を込めて、二小節ほど前奏を弾く。
さあ、来い、音痴。
やはり、来なかったか。
しかも、音痴どころか大変な素質だこりゃ。
若干興奮気味で、キーを上げていく。なるほど、苦手ね。というか、この方、完全な宝の持ち腐れ。こんな人みたことない。
興奮も手伝い、30分はあっと言う間。高音のヒントだけ伝え、「次来るよね、じゃお金はその時でいいから。もう次の子が時間通り待ってる筈だから。道も教えないから独りで通りまで出てみやがれ」と、方向おんちに鞭打って手を振った。
あれ。ほんとに次来るかな。賭事してる場合でもないんだが。
時を同じくして、水道橋でご入会があったと連絡があり、なかなか楽しい午後五時であった。
注
このような書き方をしていますと、毎日遊んでいるみたいに思われる方もあるかも知れませんが、至って屎真面目にお仕事させて頂いております。皆様に於かれましては、誤解のなきよう、よろしくお願い申し上げます。概ねこういった場合、受講者のキャラクターに合わせてしまうものなのです。いずれまた、書くことになりましょう。。。ほんとにまた来れば、ですが。