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2020年10月

その顔だから、の声がある。

こんにちは。神保町教室のクボです。すっかり寒くなりましたね。

さて、最近特にあまり歌わないコースの生徒さん向けにやってて面白かったレッスンメニューをご紹介します。

 

あまり歌わないコースでは、朗読をやってもらうケースが多々あるのですが、その中でも絵本を朗読してみる、というのがなかなか好評なのです。

なぜ、あえて「絵本」なのかといいますと、まず文字数が少ない。だからまず、慌てずゆっくり、自分のいちばんいい声の状態で読むことができますね。

だけども、逆に文字情報が少ないからこそ、その文章が意味するところ、例えばキャラクターの心情や物語の展開の緩急を声で表現しなければいけません。どの声でしゃべればいちばん伝わるか、しゃべる速さや強さは?もちろん正解はありませんから、自分なりに考えてやってみるのです。

そしてもうひとつ、絵本のいいところは「絵」があるところです。そのページの色味や登場キャラクターの表情を読み取って、時には絵のキャラクターと同じ表情で声を出してみると、ちゃんとそういう声になるんですね。

たとえば、びっくり顔のクマ君が何かしゃべってるセリフを読むとするなら、、、もうおわかりですね。

 

僕自身、自分の娘にたくさん絵本の読み聞かせをしてましたが、これが案外いい練習になった経験から、レッスンに取り入れてます。

ですので、教材に使う絵本も、実際に娘に読んでいたものの中からピックアップ。特に表情豊かで楽しく読みやすいものを選んでます。

 

おもしろいのは、みなさんに読んでもらう時、はじめはなかなか緊張感があったりするのですが、物語終盤になるに向けてどんどん声がよくなっていくのです。声の出し方のコツを自然と掴んでいくんですね。

落ち着いて、自分の声のいい状態で、表情筋をしっかり使いながら、声の高低、ボリュームの大小いろいろ使いながらも自然と表現できて、やってみて非常に楽しかった、という声をいただいてます。

 

ちょうど読書の秋、ということで本屋さんや図書館に行かれる方も多いでしょうが、是非一度、絵本の朗読もお試しください!

 

画像は僕がよく教材に使ってる絵本「なべこさんとふたおくん」。娘の超お気に入り。

出張レッスン体験記

現在までに、いくらか出張レッスンを行なっています。事情が許せば、出向いてまいります。いつか書こういつか書こうと思っているうちに忘れてしまいそうなので、このうちの特殊なケースについて、記しておきます。


最初のメール。それは2016年の夏でした。歩くのが困難と聞き、たまたますごく土地鑑のある地域だったこともあり、二つ返事で出向いたものでした。教室に籠もっているのも飽きて来た頃でした。

そして、その事情というのが、以下の引用コピペ部分です。

 

小脳脊髄変性症という小脳が縮んでゆく病気で、小脳は脳からの指令を体に伝える役目があり、歩く、食べる、しゃべる、すべての運動は小脳でコントロールされています。ただ私はまだ歩けますし、家事はできます。バランス機能が少し衰えてきていますが。
私はむしろ末端から脳を動かすことを心がけています。脳は小脳がなくても必要とすれば大脳が役割を果たすと考えています。(コピぺ以上)
 

小脳脊髄変性症についての知識も理解もないこちらへ、説明をしてくださっています。ここに書かれていないのですが、呂律が回らなくなるという症状もあることから、発声運動を通じて脳を動かそうという試みだったのだと思います。それが、当方への問い合わせのきっかけだったのでしょう。

 

それから月二回、通い続けています。確かに、当初舌の動きは鈍くなっており、歌いたいのに声も思うようには出ない、という状態でした。ここから地道に、ごく普通の発声練習を重ねていきます。

 

そして結論から言えば、このかたの仮説推論は、現時点正しかったようです。発声練習で呼吸を取り戻し、舌の動きを取り戻し、表情筋を取り戻していく過程で、家事を怠らず、興味のあることへの探究はもちろん、会話すべき人との関わりも減らさないように努めているうちに、お医者様も驚くほど、病気の進行自体が止まっているのです。

 

もちろん、肝心の発語もはっきりしましたし、呼吸も深くなり、今日などは綺麗なロングトーンが出ていました。キーを合わせれば一オクターブ半くらいの音域は苦もなく歌えています。


実は私、この症状病状快癒への取り組みかたの一つになるのではないか、是非色んな方にお話ししてはどうでしょう?手っ取り早くブログなどどうでしょう?と、お勧めして来ました。しかし、遺伝性の病気であり、未婚の御令息令嬢のために名前を出せないとのこと。大変活発で積極的な方ですが、これに関してだけは消極的です。

ですから、私が代わって、書き記しておかねばと常々考えて来ました。

 

つまり、身体の末端の動きから、脳を活性化することは、可能のようです。発声から始まって気がついたことは、家事全般に関わる所作動作を、昭和の、いやもっと昔の人々が怠りなく繰り返した運動を、便利になったからと怠けず、時間がないからと端折らないこと、といったことが、歳をとるほどとぼけていく身体機能を鈍らせない条件のひとつと考えても、いいんじゃないだろうかと。

 

ボイストレーニングが、歌などよりも大事な、ある奥行きを感じさせることは今までもたくさん経験して来ました。こんな事例から、このような方に出会えたことに感謝しています。

淡々と、粛々と、お楽しみ

ここはお教室ですから、レッスンの日々は続きます。

 

今年は長らく、異常事態でした。ああ、これができるようになったね、長いおやすみ期間をすぎても、忘れなかったね。もう身についてしまったのかもね。あるいは、すっかり忘れてしまったね、家ではなかなか歌えないものね。だとか。

 

私の担当するみなさんは、今年の6月から募集を再開するまで最後の募集をした2年前入会の方がもっとも新参で、それ以外のほとんどの方は10年前後、という方々です。

 

6月から7月にかけて、久しぶりに募集をかけました。7人体験レッスンを請けて6人、入会されました。始めたばかりの皆さんに、歌における発声の仕組みを、理屈ももちろんですが反復の侮れなさを伝えては、一緒に取り組んで行きます。

 

これ正直、新鮮です。お腹から声を出すっていうやつは、これのことだったんですね、という声から、カラオケついに行ってみたんですが、全然以前に比べて疲れませんだとか、こういったレッスン初期によく聞かれる言葉をまた聞くことができて、嬉しくなります。

 

いろんな人がいらっしゃいます。私が主に受け入れるのは、ごく普通の生活をなさる人々です。若くともそうでなくとも、生活の中に、歌う、という行為を挟み込みたい人たち。たまにやってみるくらいだと、思ったよりもうまいこと歌えないもんだな、という方々。

 

この人たちに、さあ毎日やれ、大事なのは積み重ねだ、積み上げだ、どこに出てもブレない自分を作るんだ、自信のある自分を育むんだ、と、あまり真正面から押しつけても、生活をそうそう簡単に変えられるもんじゃありません。

 

だから、基本はこうです。あ。面白いかも。ちょっとだけやってみよ。あれ、ちょっとだけやってみたら変化があったわ。楽しいかも。じゃこっそり反復してみようかな。あれ、身についたかも、人に見せてみようかしら。もしかしたら、褒められるかも。と、変化していけるきっかけを作れたらいいなと考えています。

 

そのために、うた以外の道具をおすすめしたりもします。音楽は懐が広いです。うたじゃない楽器からのアプローチもできます。伴奏楽器なら、歌いながら弾くこともできます。この場合に気をつけていることは、教則本に惑わされないこと。我流で追究する癖も持ってもらうこと。楽しむ主体は自分であることは、かたときも忘れないこと。

 

淡々と粛々と、お楽しみの時間を、捨てないように。忘れないように。そして、お楽しみがこの小さなコミュニティで分け合えるように。世界に向かう必要なんかないんです。それを今年は、つくづく考えさせられます。今足りないのは、私たちの小さなコミュニティが移りゆく季節をともにする、些細な安心なのだと。

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